創価大学 看護学部

創価大学看護学部では、このたび日本私立看護系大学協会「新規に国際交流活動を行うための助成事業」の助成を受け、スペイン王国のバルセロナ大学看護学部との新たな国際交流事業を実施しました。本事業は、プラネタリー・ヘルスの視点を取り入れた先進的な看護教育・研究を推進し、国際的視野を備えた看護人材を育成することを目的として実施したものです。あわせて、バルセロナ大学との教育・研究の連携を強化により、学生および教員が多文化的視点を養い、グローバル社会において活躍できる能力を育成することを目指しています。

近年、気候変動や環境問題、健康格差、感染症の拡大など、地球規模の課題への対応が国際社会全体で求められています。そのような背景のなか、看護学においても、健康を人間だけの問題として捉えるのではなく、地球環境や社会構造との関連性の中で包括的に理解する視点が重要視されるようになっています。なかでも、プラネタリー・ヘルスは、人間の健康と地球環境の持続可能性を統合的に捉える概念として国際的に注目されており、気候変動や環境破壊などが健康へ及ぼす影響について、多角的に考察する新たな学際的アプローチです。

国際交流開始にあたっては、2025年4月から9月にかけて複数回のオンライン準備会議を実施しました。バルセロナ大学からは、テレサ・リュック看護学部長、国際交流コーディネーターであるアンパロ・デル・ピノ・グティエレス准教授らが参加し、本学からは佐々木諭看護学部長、忍田祐美講師らが出席しました。会議では、学術交流協定(MOU)の締結、共同研究、学生派遣、客員教員招へいなどについて継続的かつ実効性のある交流体制の構築に向けた活発な協議が行われました。

その後、2025年10月7日(火)から12日(日)にかけて、佐々木学部長と忍田講師がスペイン・バルセロナを訪問し、バルセロナ大学看護学部との学術交流協定を締結しました。協定締結式では、学術・教育協力に関する意見交換が行われるとともに、本学教員による「Bridging Cultures(文化の架け橋)」と題した講演も実施されました。講演では、異文化理解の重要性や、人間の尊厳に基づく看護のあり方について活発なディスカッションが行われ、学生・教員間の交流が深まりました。参加した学生たちからは、多様な文化的背景を持つ人々への理解を深めることの重要性や、看護職として国際社会に貢献する意義について多くの意見が寄せられました。

また、現地では、看護学部および医学部が設置されるクリニック・キャンパスやベルビチェ・キャンパス、附属病院などを視察し、スペインにおける看護教育や地域医療の実践について理解を深めました。附属病院では、実習中の看護学生から病棟案内や看護ケアについて説明を受け、日本とスペインの看護教育や医療制度の違いについて相互理解を深める貴重な機会となりました。さらに、学生寮の視察を通して、今後予定している国際看護研修派遣に向けた受け入れ体制についても確認を行い、学生交流の具体的な実施に向けた協議を進めました。

さらに2025年11月10日(月)から14日(金)には、バルセロナ大学看護学部よりアンパロ・デル・ピノ准教授、カルメン・モレノ准教授、エスター・クレスポ助教の3名を客員教員として創価大学へ招へいしました。滞在中には、交流協定締結記念講演会をはじめ、「国際看護特講Ⅱ」での授業講義、学生との懇談会、医療施設視察、姉妹校交流など、多彩な交流プログラムを実施しました。学生たちは、スペインの看護教育や文化、医療制度について直接学ぶ機会を得るとともに、異文化交流を通して国際的視野を広げる貴重な経験となりました。また、教員間においても教育方法や研究課題について活発な意見交換が行われ、今後の共同研究や教育協力の可能性をさらに広げる有意義な交流となりました。

創価大学看護学部では、今後も本交流を基盤として、国際看護研修による学生相互派遣、客員教員の継続的招へい、国際共同研究ネットワークの拡大を推進してまいります。国境を越えた学びと協働を通して、地球規模の課題に向き合い、人間の尊厳を基盤に行動できる看護専門職の育成を目指し、さらなる教育・研究の高度化に取り組んでまいります。